ルアー作成のポイント道具
塗料、溶剤
色流れ防止のイロハ色流れのメカニズムは以下の通り ・基本は、クリアーが重力などで流れるときに、下の着色層を一緒に引っ張るから ・着色層は(1)着色層とその下の層との結合が弱くてはがれる場合、(2)クリアーの溶剤が着色層を溶かしてしまう場合のいずれかの理由でクリアーに持っていかれる。ラッカーシンナーを使って流れる場合は、(2)が原因。(1)の防止は、アルミなど貼りモノはミッチャクロンを吹いておく。セルロースセメントの上に着色する前に脱脂する。 色流れを防ぐには、 イ.クリアーが流れないようにする ロ.着色層とその下の層が強く結合するようにする ハ・クリアーの溶剤が着色層を溶かさないようにする ができればよい。これが色流れ防止のイロハ。 イ、ハを実現するには、プラモデルなどでデカールの上にクリアーを吹くときのテクニックを使う。低圧エアーで遠くから砂吹きを繰り返す。クリアーはセルロースセメントにラッカーシンナーのみ。リターダーは入れない。ラッカーシンナーの速乾性により、ルアー表面に塗料が付着したときは塗料が半乾きになるようにする。ここでの表面の荒れは後のディッピングで慣らされるので気にしない。砂吹きを繰り返して、表面が乾いた状態の上に徐々にクリアーを多く吹き付けるようにして厚さを稼ぐ。ディッピングしても着色層まで溶けない程度まで繰り返す。実は、プチコン+スプレーワークは低圧なのでこの作業がやりやすい。 ハだけを考えると、ラッカーで着色してウレタンでコーティングすればよいが、ラッカー層とウレタン層の間で剥がれることがある。 ロは、下地がセルロースセメントなので、セルロースセメントを溶かす溶剤を使えばよい。具体的にはラッカーシンナー。ラッカーシンナーだけだと、乾燥が速すぎて下地を溶かさない。クレオスのラッカー溶剤はポリスチレンを溶かさない程度なので、使うべきでない。普通のラッカー薄め液はマシかもしれないが使ったことはない。たぶんダメ。 セルロールコーティングに塗装するのだから、セルロースセメントを塗料に混ぜれば密着が高まるはず。で、クレオスの塗料にセルロースセメントを混ぜると混ざらずに顔料が固まってしまう。そこで、リターダーを多めに入れると、ちゃんと溶ける。 塗る前に脱脂する。脱脂は、エタノールやベンジンでルアー表面を拭けばよい。拭いたら素手では絶対触らないこと。 この辺は、極硬さんを参考にしました。読み返してみたらほとんど同じですね。 アルミアルミは、プライマーを塗布しないとセルロースセメントやアクリルラッカーは載らない。ミッチャクロンを両面に使用して塗膜との結合を強める。 貝貼り貝の色は、下地で決まる。黒金を貝で出したければ、下地にアルミを貼って、クリアーイエローを吹いてから貝を貼る。 腹を塗った時に貝に散った塗料はラッカーで拭き取ればよい。貝シートは、粘着剤がついていないモノを使用する。切り出すときは全て頭が同じ向きになるようにして、ルアーの両面でシートの裏表がそれぞれ表面に出るようにする。そうしないと、片面は後ろから片面は前から見たときに貝光が出るようになってしまう。 貝を貼るのは、GPクリアなど合成ゴム系接着剤が良い。 切り出した貝シートをルアー表面に中心軸を合わせて乗せたら、硬いもので中心から外で貝シートを割りながら密着させていく。割りの模様はランダムになるが問題無い。 制作スケジュールセルロースセメントは、湿度が高いと白濁する。乾くのが速すぎて水分が残るため。関東地方は冬にルアーを作ると良い。 セルロースセメントは、ディッピングの間隔が開くとクラックが入る。ディッピングに着手したら完成まで間をあけることができない。よって、貝貼り、塗装の日程(週末2日間)を決めて、そこから下地ディップの回数を元に計算して着手日を決める。どのタイミングでディッピングして、いつ乾燥させるかを考慮する。土日2日間でアルミ貼りから最終ディッピングの1層目まで進むのはかなり忙しい(乾燥時間が十分に取れない)。もちろん削り出しはいつでもできるので、梅雨前から秋までに削っておく。アルミや貝の切り出しも事前にやっておくべき。
FirstUpload 09/11/18-12:53 : LastUpdate 12/01/04-10:30
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