赤、青、緑のLEDを各48灯、合計144灯使って照明装置を作りました。 LEDは、半導体の物性によって発光する色が異なり、色によって稼動時の電圧降下も発光効率も異なります。 RGB各色を合成して白色光を作るには、各色LEDの光量を発光効率から色毎に最適な電流を計算して求めるか、各色の光量を調整できるようする必要があります。 計算はめんどくさいのと、間違えるとさらにめんどくさいので、簡単に実現できる調整式にすることにしました。 RGBの成分を可変にするということは、とりもなおさず見かけの色温度が調整できるということにほかなりません。 LEDは、秋月電子で同一メーカでRGBが揃い、発光波長がわかる60°の高輝度LEDを購入できることがわかりました。 光量調整は、エーモン工業の調光ユニットを使用します。 電源は12Vの元ノートPC用スイッチングレギュレータを使用します。 電源が17VでLM317が入るので、3.6V系LEDは3個直列が適当です。3色そろえると1ユニットが9個になります。したがって、LED総数は9の倍数となります。また、3個直列を2セット並べて発光幅を広げるとよさそうなので、9の倍数でトータルが偶数にるような数にしないとめんどくさいことになりそうです。LEDが10個セットで売っているので、無駄が出ないようも考えないといけません。 結局、各色48個、合計144個のLEDを光らせることにしました。 実装の詳細は説明しませんが、各列に20mAの低電流ダイオードを入れて電流制限をしています。 基板上に部品を並べて、配線すれば完成です。半田付けの数は多いのですが、中身は単純なDC回路なのでなんら難しいことはありません。 基盤は、ふちにアース用のランドが回っているユニバーサル基盤を使用しました。 LEDは、同じ色が斜めに並ぶように配置しました。 ケースは、ポリスチレンのコレクションケースの内側をシルバーのスプレーで塗装しました。 調光ユニットはケースから取り出して、ボリュームの固定ネジでケースに取り付けました。 出来上がった照明装置で魚を見てみると、赤青のカージナルテトラがとても綺麗に見えます。金魚は赤みが増して見えます。水草も緑が濃くなったように見えます。しかも、太陽光があたっているときよりも色が鮮やかな感じがしました。やはり、LEDは単色光で鮮やかな感じなので、LEDのRGB合成では光自体の色で対象物を染めている感じがあります。 しかし、水槽用として鑑賞目的で考えれば、赤・青・緑・白が鮮やかなのでかなりいい感じに思えました。 やはり、LEDの向きの調整が甘いのと、正方格子にLEDを配置したためLED間の距離が空いたせいか周辺は色が散らばって見えます。 また、60°LEDを使用しても照射範囲が狭いです。30cm水槽のふたに直接おくと量側5cmづつ位は明らかに暗いです。一方で光が拡散しているので、 90cm水槽も底まで照らすことができます。少し水槽から距離を離して設置すれば、30cm水槽だと使えそうな感じがしました。明るさは、8W蛍光管1灯と同等くらいな感じです。 これで、コストは10,000円近くかかっているので、現時点ではRGB合成のLED照明はいまいち割りにあわないように思われます。水槽用の照明と考えた場合、LEDは蛍光管に比べて消費電力が少なくなるわけではありません。 また、RGBを1パッケージにしたパワーLED(1.5W)も手に入るのですが、これだと小型化はできますがLEDのコストは高くつきます。 LEDは、現状は白熱電球の代替としては有効で、特に消費電力に厳しい常夜灯や電池を用いた灯具で力を発揮しますが、AC電源でそこそこの光量で点燈するにはコストが割りにあわないように思います。 しばらく使っていると、点灯しないLEDが増えてきます。LEDといえども発熱はするし、熱には弱いので放熱にはもっと気を使う必要がありました。
FirstUpload 09/11/15-22:58 : LastUpdate 09/11/15-22:58
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